海外の大学に見る、組織としてのアクセシビリティ

お知らせ

試しに、Harvard University、UC Berkeley、Gallaudet University の三校について、同じ基準で調査してみました。すると、三校とも日本の大学より高いスコアとなりました。ランクはすべて B です。少なくとも、アクセシビリティに対して組織として取り組んでいると言える大学だと思います。

University
Rank Score
Harvard University  B 55.9
UC Berkeley B 55.9
Gallaudet University B 50.3

実際、これらの大学には、大学としてデジタルアクセシビリティに取り組む専門組織があります。そこが継続して活動しています。対象はウェブだけではありません。障害学生支援だけに限った話でもありません。デジタルという切り口で、大学のさまざまな領域においてアクセシビリティを確保しようとしているのです。

もちろん、日本の大学にも熱心な取り組みがあります。とくに障害学生支援室の方々が真剣に努力されていることは、私もよく知っています。上位に入る大学では、アクセシビリティに関する研究も行われていますし、優れた実践もあります。そうした先生方や担当者の存在があるからこそ、一定のスコアが確保できているのだと思います。

しかし、それだけでは足りないのではないか、とも感じます。個々の先生や担当部門の努力としては存在していても、大学という組織全体の仕事になっているかどうかは、また別の問題です。

私は、優れた先生に刺激を受けた学生たちが、やがて社会を変えていく、その可能性には大いに期待しています。しかし同時に、アクセシビリティを個人の善意や関心の問題としてしか学ばなかった学生が、社会に出てからその思いを十分に生かせるかというと、そこには限界もあるでしょう。

やはり必要なのは、アクセシビリティを組織として取り組むとはどういうことかを、大学そのものが示すことだと思います。学生は授業の内容から学ぶだけではありません。大学という場のふるまいそのものからも学びます。大学が組織としてアクセシビリティに向き合っていれば、その経験は、卒業した後の社会の中でも生きていくはずです。