お知らせ

昔のゲームと言えば、ゲームボーイやファミコン。令和に生まれた子はもちろん、平成に生まれた子にとっては実物を見たこともなく、大人が懐かしいというだけのもので、身近にはなかなかないものかもしれません。

 

さて、そのゲームですが、アクセシビリティという面ではかなり充実しています。以前、Sonyのアクセシビリティコントローラーキット「Project Leonardo」の記事を書きました。恐ろしいことに、この記事は1年前。技術の進歩と時間の流れの体感感覚は早くなる一方です。

 

ゲーム自体にもアクセシビリティに配慮する機能が備わっていることが多くなってきました。色の認識が重要になるものは色合いを変えたり、文字サイズを変えたり。そういえば「ぷよぷよ」というゲームは同じ色をつなげて消しますが、色ごとにキャラクターの目つきが違うので、色覚に問題があってもプレイできたゲームだったのでは、と考えたりしてます。

 

https://magmix.jp/post/209529
こちらの記事では、障害を持ったプレイヤーの目線、制作側目線。キュレーター目線でゲーム、アクセシビリティについて書かれています。

 

印象深いコメントとして「アクセシビリティは「同じフィールドに上がる」ためのもの」というものがあり、これはまさしくウェブの世界にも広まってほしい言葉です。
ウェブアクセシビリティも誰もが同じ情報を同じレベルで取得できるようにするもの。肩ひじ張らず、取り組んでもらえる状態になればいいなと思います。

お知らせ

2024年になり、障害者差別解消法改正がアクセシビリティを取り巻く環境では大きなイベントと言えるかと思います。

 

1月1日の能登半島の災害や1月2日の空港での事故の情報伝達や避難指示のアクセシビリティなど、パフォーマンスではなく、本当の意味で必要性を考えることもありました。普段からの対応がいざというときでも自然に行えるので、日常での対応の重要さを感じています。

 

さて、経済産業省では、日常の取組として「音声をアプリで認識、ディスプレイに表示」させるシステムを導入したそうです(記事リンク https://www.meti.go.jp/press/2023/01/20240111002/20240111002.html)。

 

今や音声をテキストで見せるのは、皆さんが持っているスマートフォンのアプリや普段使う会議ツールでも搭載されています。ただこういったシステムは「必要な人が必要に応じて使う」という使い方で、対応は個人で行い、それに団体側(企業や省庁)が合わせることが多かったので、団体側から提供しているのはとても良いことだと思います。

 

聴覚に障害がある方はもちろん、文字を音声で認識できない方(識字はできる)や、音声を漢字に直すのが苦手な人、メモの取りやすさなど思いのほか利用者は多いシステムではないかと思います。

個人のシステムだと異口同音や長い熟語では正しい変換が行われない可能性もありますが、こちらのシステムではどうなっているのが気になるところです。

 

こういったツールが省庁レベルではなく市町村、公共団体、企業レベルまで浸透していく年になればよいなと思います。

お知らせ

12月3日は「手品の日」です。「1、2、3、はいお花が出ましたー」ということで12月3日だそうです。1月23日でも良い気がします。

 

さて、アクセシビリティに関わる私たちからすると、12月3日は「国際障害者デー」です。

Wikipediaによると

障害者問題への理解促進、障害者が人間らしい生活を送る権利とその補助の確保を目的とした国際的な記念日。 1982年12月3日に、第37回国際連合総会において「障害者に関する世界行動計画」が採択されたことを記念して、1992年の第47回国際連合総会において宣言された。

とのことです。そして今週は9日まで「障害者週間」です。

 

様々な取り組みがあったようです。

 

大手コンビニでは接客に手話を導入できるように特訓

障害者や障害児向けのクリスマス会などのイベントの企画

など探せばいくつも出てきます。

 

アントニオ・グレーテス国連事務総長のメッセージも「持続可能な開発目標(SDGs)を達成するためには、誰一人取り残さない、特に世界中の13億の障害者を取り残さないという約束を果たす必要があることを、私たちに思い起こさせます。」とあります。

 

日本でも障害者差別解消法まで残り4か月を切りました。

 

手品のように一瞬で変えることはできなくても、継続することで、ちょっとずつでも世界が変わっていければいいですね。

お知らせ

人間か、人間ではないか…なにをもって人間とするか、という哲学の問題ではなく、「認証」のお話です。

 

ネットショップをはじめとして、ロボットによる操作を弾くために認証を取り入れているサイトはたくさんあります。

このAI黎明期に既存の認証の防御率はどれだけなのか、そしてこれからAIと防御するサイト制作者の戦いは激化してことでしょう。サイト制作者には是非頑張っていただければと思います。

 

さて、本題に入りますと、東武鉄道の特急切符を買うときに「パズル認証」が障壁となり、購入できない、ということがありました。(パズル認証が障壁に 視覚障害で特急切符買えず 東武鉄道「不正利用防止への理解を」 識者「バリアフリー対応は責務」【ちば特 千葉日報特報部】(千葉日報オンライン)別ウィンドウで開く

 

電話で認証が不要となる期間についての話題も入っていますが、パズル認証がそもそも適切かどうかというところも問題かなと思います。

 

画像に対して代替テキストを入れるのはウェブアクセシビリティの対応の中では最初の達成基準になりますので対応されているところも多いかと思いますが、逆にロボットに答えを教えるようなものなのでセキュリティの意味がなくなりますし、東武鉄道の言うように「セキュリティ面」からも簡単になくすことはできないものです。

 

WAIC(ウェブアクセシビリティ基盤委員会)の日本語訳ページではCAPTCHAについては、以下のようになっています。

 

WCAG に適合する意欲のある組織は、このトピックの重要性を認識することが望ましく、かつ可能な限りこのガイドラインの最低要件を遥かに超えることが望ましい。追加の推奨される手段は、以下のものがある:

  • CAPTCHA を二つよりも多くのモダリティで提供する

  • CAPTCHA を回避できる、カスタマーサービスの担当者へのアクセスを提供する

  • 認証された利用者には CAPTCHA を要求しない

東武鉄道側も「視覚障害者から申し出があったときは個別対応している」と書いており、「カスタマーサービスの担当者へのアクセスを提供する」「認証された利用者にはCAPTCHAを提供しない」の対応をしているのかなと思います。

 

WCAG2.2でもアクセシブルな認証として知識や認知能力を必要とする認証はNGとなりそうです。

障害者差別解消改正までも半年を切っており、セキュリティとアクセシビリティの問題はまだまだ出てきそうだなと思います。

 

お知らせ

コロナが2020年に広まり、テレワークは急速に拡大し、急速に縮小しています。2023年7月段階ではテレワークの実地割合は22%になっているようです(株式会社パーソル総合研究所調べ)。

テレワークの悩みに「コミュニケーションが取りにくい」というのが、よく言われていますが、いざというときに周りに人がいるというのはやはり安心出来るものです。でもテレワークのよさもありと一長一短あるわけです。

特になにかしらの障害があると、一長も一短も大きくなります。

 

人がいる安心感とテレワークの良さを兼ね備えた施設が新しくできたようです。

障害者専用のテレワークオフィス「Beyond Office Kokura(ビヨンド・オフィス・コクラ)」が開設されたようで、支援員が常駐して体調管理などのサポート、企業との仲介などもしてくれるそうです。

 

今までも就労継続支援サービスを展開している団体は数多くありますが、テレワークへの対応がまだ進んでいなかったり、今まで会社に通っていたけどテレワークで一日ひとりぼっちという方も増えている中で、こういった場所が増えると安心して業務に取り組めるのではないでしょうか。

 

会社側も会社のシステムを整える等、インフラコストがかかるかもしれませんが、テレワークの労働環境は就労者にとっては魅力のある環境といえます。またまだ才覚がありながら就労に至ってない障害者を雇用できるように、イントラネット(社内システム)のアクセシビリティ化も一緒に進めてみてはいかがでしょうか。

お知らせ

入力デバイスを作成されているテクノツール様の記事がありました(口や視線でデバイスを操作。入力支援機器は「面白がってほしい」 | 日本財団ジャーナル)。

 

入力デバイスとは、コンピュータに意志を伝えるもの…と書くとわかりにくいですが、キーボードやマウスなどのツールです。様々なツールがありますが、特に身体に障害のある方向けだと、顎や舌で操作するもの、Enterキー機能だけあり移動自体は機械が行うもの、視線で操作するものなど障害の部位や重度によって用いられるツールは複数あります。

記事には息や操作するものもあり、是非本記事を読む前に読んでみてください。

 

この記事の中で「スピードという点が抜け落ちがちのウェブアクセシビリティ」という文言に、ハッとさせられました。

 

記事にもあるように「情報にアクセスできる」のであれば「アクセシビリティは大丈夫」といえると思いますし、制限時間がなければとりあえず操作にどれだけ時間をかけても大丈夫なのかもしれません。

しかしながら、一日は24時間ですし、睡眠は8時間は必要です。時間があるからといってすべてにそれを費やしていいわけではありません。

もしかしたら使いやすさという点でユーザビリティの範疇になるのかもしれませんが、ウェブサイトのアクセシビリティ対応の中でもスピードをあげられるような工夫があってもいいのかなと思いました。

 

例えばWCAG2.0(JIS)の中では、隣接する同一移動先のリンクは一つのa要素でまとめる、2.1では可視ラベルとコンポーネントの一致、2.2ではクリック可能エリアの大きさについての規格があったりします。

これは冗長なものを飛ばしたり、音声入力でスムーズな移動ができたり、クリックできる範囲が広いので操作ミスが少なくなるなどのメリットがあります。これは情報取得のスピードが速くなる方法です。

こういった観点の規格が増えてもよいなと感じています。

 

アクセス(取得)できればよい、だけではなく、アクセシビリティ対応をする際に、ユーザビリティや取得難易度も一緒に考えていければと思います。

雑記

「障害者白書2023」が公表されました。

そもそも障害者白書とは何かというと「障害者基本法(昭和45年法律第84号)第13条に基づき、平成6年から政府が毎年国会に提出する「障害者のために講じた施策の概況に関する報告書」(内閣府より)」で、障害者を取り巻く環境や法律に関する情報などがまとめられた、「政府がやってきた&これからやる、障害者への取組の報告書」といったものです。内閣府から閲覧できますので是非読んでみてください(障害者白書令和5年分)

 

障害者情報アクセシビリティ推進法や障害者差別解消法改正が来年の4月にスタートするなど、意外と環境の変化は多いものです。詳しくは読んでいただくのが一番なのですが、その中でも注目すべき文言があります。第1章 障害の有無により分け隔てられることのない共生社会の実現に向けた取組→第1節 改正障害者差別解消法の施行に向けて→3.障害者の差別解消に向けた取組等 に書かれている、

「障害者やその家族、介助者など、コミュニケ―ションを支援する者から何らかの配慮を求める意思の表明があった場合には、その実施に伴う負担が過重でない範囲で、社会的障壁を取り除くために必要かつ合理的な配慮を行うことが求められる。こうした配慮を行わないことによって、障害者の権利利益が侵害される場合には、障害を理由とする差別に当たる」

という部分です。簡単にいってしまえば「配慮を求められたときに、合理的配慮を行わなければ差別に当たる」ということです。明確に「差別となる」と書かれているのは、意思の表明としては強いな、と感じます。

 

合理的配慮にウェブアクセシビリティが入る根拠は、明確な文章になっていません。今までの障害者差別解消法の対応の範囲でウェブアクセシビリティが入っていることや、みんなの公共サイト運用ガイドラインがあるので、「合理的配慮に含まれるであろう」という前提にはなりますが、ウェブアクセシビリティ未対応は差別に当たる可能性が出てきたと言えるかと思います。

 

筆者の感想ですが、「法令違反(未対応)」と同じくらい、「差別をしている」と言うことに昨今のさまざまな諸問題から世間は敏感な気がしています。サイトオーナーの皆様、制作会社の皆様もいま一度、関わりのあるウェブサイトを見直してみてはいかがでしょうか。

お知らせWCAG 2.2,セミナー

ウェブアクセシビリティの改善に係る活動をされている方に向けた、初夏のアクセシビリティセミナーを開催いたします。

技術的な内容を中心に、最新の情報をお伝えできるよう鋭意準備中です。
制作に携わる方だけでなく、発注に携わる方、同業の方、学生の方のご参加も歓迎いたします。
お時間が合いましたら、ぜひお気軽にお申込みください。

最新のWCAG 2.2を読み解こう

項目 内容
日時 2023年 6月13日(火) 16:00-17:00(1時間)
形式 オンライン(Zoom) *会議情報は開催の2日前をめどに送付します
費用 無料
レベル 中級者向け (現行の規格についてご存じのほうが楽しめますが、初学者も歓迎です)
講師 飯塚 慎司(株式会社インフォ・クリエイツ アクセシビリティ事業本部長)
講師経歴 アクセシビリティ指針の普及活動、JIS X 8341-3 シリーズなど標準化の活動
音声ブラウザの普及活動、アクセシビリティチェックツールの企画・開発 など
申込方法 申し込みフォームはこちら(Microsoft Forms)
締切 2023年 6月9日(金) 18:00

ご好評につき、残席僅かとなっております(6/8時点)。早期満了となりました場合はご容赦ください。
よろしくお願いいたします。

技術コラムmiChecker

総務省「みんなのアクセシビリティ評価ツール:miChecker(エムアイチェッカー)」のVer.3.0公開から早2ヶ月が経とうとしています。皆様、もうお使いでしょうか?

総務省|みんなのアクセシビリティ評価ツール:miChecker (エムアイチェッカー)Ver.3.0

今後は令和5年度中を新バージョンへの移行期間とし、旧バージョンについては公開終了を予定しているとのことです。
初めてお使いの方、旧バージョンからの乗り換えに重い腰を上げた方、ぜひ一緒にmiChecker Ver.3.0を導入してみましょう。(所要時間:15分程度)

雑記

さまざまな技術の進化が進み、生活は便利になっていってると日々感じます。
切符を買わなくてよくなった、目的地への行き方を地図と勘に頼る必要がなくなった、辞書を持ち歩く必要どころか論文まで自動で書いてくれる時代になりました。

個人的に感動しているところはタッチパネルの感度です。
一昔前まで、人の血が通っており、体温も人並みにあるのですが、タッチパネルが反応してくれなくて「タッチパネルまで私を認めてくれないのか」としょんぼりしたものですが、今のタッチパネルは感度も良く、次のページにサクサク進めてくれるのでとても使い勝手が良いと言えます。

今や切符を買うのにもタッチパネル、ファミリーレストランや居酒屋、ラーメン屋、牛丼屋でもタッチパネル、ATMでもタッチパネル、コンビニの支払いや年齢確認もタッチパネル。クレジットカードの暗証番号を入れるタイミングでもスマートフォンもタッチパネルです。

しかし、「タッチパネルはどこを押したらよいかわからない」という視覚障害者の声がありました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a4a963091ba0448ca7c78536f6ae678d7b79ee23

確かに、スマートフォンのように個別にカスタマイズできるシステムでもなく、視覚に頼り切っているシステムです。飲食店ではポップなデザインが多く、色の配色で見にくかったり、文字の拡大ができないなど、全盲に限らず使いにくいと言えます。

困ったら店員さんに相談、というのもありますが、繁忙時間で気づかれなかったり、クレジットカードの暗証番号を代理で打ってもらうなどはセキュリティの観点から問題があります。官公庁向け「みんなの公共サイト運用ガイドライン」でも、アクセシビリティに対応できていない箇所には「問い合わせ先を書きましょう」となっていますが、官公庁の人間も365日24時間営業でもないですし、きちんと対応していれば、電話対応の負荷も減ります。

同様にタッチパネルもアクセシビリティ対応がきちんとされていれば、店員の負担を減らすことができるかと思いますし、本来必要のない手間を踏まなければいけない利用者にとっても負担軽減といえると思います。

技術の進歩は確かに大切ですが、技術の進歩、その進歩で置き去りにされる人、その人たちをサポートする人やシステムと分かれているのが残念だなと思います。ユニバーサルデザインでスタートする技術が普及していけばよいですね。