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お知らせ

企業サイトを、Webアクセシビリティの技術的観点での出来の善し悪しではなく、取り組み姿勢(企業の成熟度)を評価しランキング形式でまとめてみました。対象は売上トップ100社にしています。どなたでもダウンロード可能です。

ぜひ、Webアクセシビリティの社会的理解向上のためにご利用ください。

Web Accessibility index & Progress Report 2024 の表示画像

お知らせ

いよいよ2024年4月1日からの障害者差別解消法の前日となりました。正しくは31日が前夜なのですが土日を挟むので前夜とさせてください。

改めて概要をおさらいと最近来たお問い合わせについて3つ書きたいと思います(筆者の見解も含んでおります)。

 

4月から何が変わるの?

合理的配慮が企業にも義務化」となります。

合理的配慮とはざっくばらんにいうと「手伝いの希望があったら、無理のない範囲で手伝う」といったことです。

実は今までもカスタマーサービス部門などで対応されていた企業も多いかと思います。これが「サービス」から「義務」に変わる、といった内容です。

 

合理的配慮と言われても…というのが世の中の担当者のお気持ちだと思います。企業によって資金、人員、建物などの様々な条件が異なってきます。ですので、「無理のない範囲」という説明がつきます。

例えばエレベーターをつけるのが簡単にできる企業もあればできない企業もあります。できない企業でも1階まで降りて対話スペースを設けることは出来ます。「できることをしっかりと」、これが大切です。

 

6月からじゃないの?

令和3年5月に障害者差別解消法改正がされました。公布(周知)したのは令和3年6月4日です。

このタイミングで「3年以内に施行する」となったために、令和6年6月までに対応しなければならない、と思われている方も多くいらっしゃいますが、令和6年4月1日からです

 

ウェブアクセシビリティは対象なの?

これは企業によって認識が大きく変わります。

義務という企業もあれば義務ではないという企業もあります。

義務とする企業は「ウェブサイトは24時間見られるものであり、必要とされたときに必要な情報を伝えられる必要がある」「公共機関が義務の先駆者としてウェブアクセシビリティに対応している」「ウェブサイトの改修は費用が比較的安価で済むことから合理的配慮の一環」などの理由から、

義務ではないとする企業は「ウェブアクセシビリティは、手助けを必要としない環境を整える行動(環境の整備=努力義務)」という理由からです。

どちらの言い分も正しいかと思いますし、正しい読み時をするのであれば法律の専門家に判断してもらう方がよいでしょう。

 

4月1日以降、みなさんの携わる様々な業界でもウェブアクセシビリティ方針を出される企業が出てくると思います。

同規模や同業他社の企業もそれに倣って方針や対応を進めると思います。

結局なにをすればいいかわからないまま今日まで来てしまった方、6月からだと思っていた方、まずは今後どうやってウェブアクセシビリティを進めていこうか、来年の計画に加えてみてはいかがでしょうか。

お知らせ

昔のゲームと言えば、ゲームボーイやファミコン。令和に生まれた子はもちろん、平成に生まれた子にとっては実物を見たこともなく、大人が懐かしいというだけのもので、身近にはなかなかないものかもしれません。

 

さて、そのゲームですが、アクセシビリティという面ではかなり充実しています。以前、Sonyのアクセシビリティコントローラーキット「Project Leonardo」の記事を書きました。恐ろしいことに、この記事は1年前。技術の進歩と時間の流れの体感感覚は早くなる一方です。

 

ゲーム自体にもアクセシビリティに配慮する機能が備わっていることが多くなってきました。色の認識が重要になるものは色合いを変えたり、文字サイズを変えたり。そういえば「ぷよぷよ」というゲームは同じ色をつなげて消しますが、色ごとにキャラクターの目つきが違うので、色覚に問題があってもプレイできたゲームだったのでは、と考えたりしてます。

 

https://magmix.jp/post/209529
こちらの記事では、障害を持ったプレイヤーの目線、制作側目線。キュレーター目線でゲーム、アクセシビリティについて書かれています。

 

印象深いコメントとして「アクセシビリティは「同じフィールドに上がる」ためのもの」というものがあり、これはまさしくウェブの世界にも広まってほしい言葉です。
ウェブアクセシビリティも誰もが同じ情報を同じレベルで取得できるようにするもの。肩ひじ張らず、取り組んでもらえる状態になればいいなと思います。

お知らせ

2024年になり、障害者差別解消法改正がアクセシビリティを取り巻く環境では大きなイベントと言えるかと思います。

 

1月1日の能登半島の災害や1月2日の空港での事故の情報伝達や避難指示のアクセシビリティなど、パフォーマンスではなく、本当の意味で必要性を考えることもありました。普段からの対応がいざというときでも自然に行えるので、日常での対応の重要さを感じています。

 

さて、経済産業省では、日常の取組として「音声をアプリで認識、ディスプレイに表示」させるシステムを導入したそうです(記事リンク https://www.meti.go.jp/press/2023/01/20240111002/20240111002.html)。

 

今や音声をテキストで見せるのは、皆さんが持っているスマートフォンのアプリや普段使う会議ツールでも搭載されています。ただこういったシステムは「必要な人が必要に応じて使う」という使い方で、対応は個人で行い、それに団体側(企業や省庁)が合わせることが多かったので、団体側から提供しているのはとても良いことだと思います。

 

聴覚に障害がある方はもちろん、文字を音声で認識できない方(識字はできる)や、音声を漢字に直すのが苦手な人、メモの取りやすさなど思いのほか利用者は多いシステムではないかと思います。

個人のシステムだと異口同音や長い熟語では正しい変換が行われない可能性もありますが、こちらのシステムではどうなっているのが気になるところです。

 

こういったツールが省庁レベルではなく市町村、公共団体、企業レベルまで浸透していく年になればよいなと思います。

お知らせ

12月3日は「手品の日」です。「1、2、3、はいお花が出ましたー」ということで12月3日だそうです。1月23日でも良い気がします。

 

さて、アクセシビリティに関わる私たちからすると、12月3日は「国際障害者デー」です。

Wikipediaによると

障害者問題への理解促進、障害者が人間らしい生活を送る権利とその補助の確保を目的とした国際的な記念日。 1982年12月3日に、第37回国際連合総会において「障害者に関する世界行動計画」が採択されたことを記念して、1992年の第47回国際連合総会において宣言された。

とのことです。そして今週は9日まで「障害者週間」です。

 

様々な取り組みがあったようです。

 

大手コンビニでは接客に手話を導入できるように特訓

障害者や障害児向けのクリスマス会などのイベントの企画

など探せばいくつも出てきます。

 

アントニオ・グレーテス国連事務総長のメッセージも「持続可能な開発目標(SDGs)を達成するためには、誰一人取り残さない、特に世界中の13億の障害者を取り残さないという約束を果たす必要があることを、私たちに思い起こさせます。」とあります。

 

日本でも障害者差別解消法まで残り4か月を切りました。

 

手品のように一瞬で変えることはできなくても、継続することで、ちょっとずつでも世界が変わっていければいいですね。

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人間か、人間ではないか…なにをもって人間とするか、という哲学の問題ではなく、「認証」のお話です。

 

ネットショップをはじめとして、ロボットによる操作を弾くために認証を取り入れているサイトはたくさんあります。

このAI黎明期に既存の認証の防御率はどれだけなのか、そしてこれからAIと防御するサイト制作者の戦いは激化してことでしょう。サイト制作者には是非頑張っていただければと思います。

 

さて、本題に入りますと、東武鉄道の特急切符を買うときに「パズル認証」が障壁となり、購入できない、ということがありました。(パズル認証が障壁に 視覚障害で特急切符買えず 東武鉄道「不正利用防止への理解を」 識者「バリアフリー対応は責務」【ちば特 千葉日報特報部】(千葉日報オンライン)別ウィンドウで開く

 

電話で認証が不要となる期間についての話題も入っていますが、パズル認証がそもそも適切かどうかというところも問題かなと思います。

 

画像に対して代替テキストを入れるのはウェブアクセシビリティの対応の中では最初の達成基準になりますので対応されているところも多いかと思いますが、逆にロボットに答えを教えるようなものなのでセキュリティの意味がなくなりますし、東武鉄道の言うように「セキュリティ面」からも簡単になくすことはできないものです。

 

WAIC(ウェブアクセシビリティ基盤委員会)の日本語訳ページではCAPTCHAについては、以下のようになっています。

 

WCAG に適合する意欲のある組織は、このトピックの重要性を認識することが望ましく、かつ可能な限りこのガイドラインの最低要件を遥かに超えることが望ましい。追加の推奨される手段は、以下のものがある:

  • CAPTCHA を二つよりも多くのモダリティで提供する

  • CAPTCHA を回避できる、カスタマーサービスの担当者へのアクセスを提供する

  • 認証された利用者には CAPTCHA を要求しない

東武鉄道側も「視覚障害者から申し出があったときは個別対応している」と書いており、「カスタマーサービスの担当者へのアクセスを提供する」「認証された利用者にはCAPTCHAを提供しない」の対応をしているのかなと思います。

 

WCAG2.2でもアクセシブルな認証として知識や認知能力を必要とする認証はNGとなりそうです。

障害者差別解消改正までも半年を切っており、セキュリティとアクセシビリティの問題はまだまだ出てきそうだなと思います。

 

お知らせ

WCAG 2.2 勧告版が2023年10月5日に公開されました。

https://www.w3.org/TR/WCAG22/

全てを読むのはなかなか大変ですので、簡単にpdfにまとめてみました。

少しでも参考になればと思いますので、ここに載せておきます。

Web Content Accessibility Guidelines 2.2 解説 (PDF, 1.8MB)

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コロナが2020年に広まり、テレワークは急速に拡大し、急速に縮小しています。2023年7月段階ではテレワークの実地割合は22%になっているようです(株式会社パーソル総合研究所調べ)。

テレワークの悩みに「コミュニケーションが取りにくい」というのが、よく言われていますが、いざというときに周りに人がいるというのはやはり安心出来るものです。でもテレワークのよさもありと一長一短あるわけです。

特になにかしらの障害があると、一長も一短も大きくなります。

 

人がいる安心感とテレワークの良さを兼ね備えた施設が新しくできたようです。

障害者専用のテレワークオフィス「Beyond Office Kokura(ビヨンド・オフィス・コクラ)」が開設されたようで、支援員が常駐して体調管理などのサポート、企業との仲介などもしてくれるそうです。

 

今までも就労継続支援サービスを展開している団体は数多くありますが、テレワークへの対応がまだ進んでいなかったり、今まで会社に通っていたけどテレワークで一日ひとりぼっちという方も増えている中で、こういった場所が増えると安心して業務に取り組めるのではないでしょうか。

 

会社側も会社のシステムを整える等、インフラコストがかかるかもしれませんが、テレワークの労働環境は就労者にとっては魅力のある環境といえます。またまだ才覚がありながら就労に至ってない障害者を雇用できるように、イントラネット(社内システム)のアクセシビリティ化も一緒に進めてみてはいかがでしょうか。

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入力デバイスを作成されているテクノツール様の記事がありました(口や視線でデバイスを操作。入力支援機器は「面白がってほしい」 | 日本財団ジャーナル)。

 

入力デバイスとは、コンピュータに意志を伝えるもの…と書くとわかりにくいですが、キーボードやマウスなどのツールです。様々なツールがありますが、特に身体に障害のある方向けだと、顎や舌で操作するもの、Enterキー機能だけあり移動自体は機械が行うもの、視線で操作するものなど障害の部位や重度によって用いられるツールは複数あります。

記事には息や操作するものもあり、是非本記事を読む前に読んでみてください。

 

この記事の中で「スピードという点が抜け落ちがちのウェブアクセシビリティ」という文言に、ハッとさせられました。

 

記事にもあるように「情報にアクセスできる」のであれば「アクセシビリティは大丈夫」といえると思いますし、制限時間がなければとりあえず操作にどれだけ時間をかけても大丈夫なのかもしれません。

しかしながら、一日は24時間ですし、睡眠は8時間は必要です。時間があるからといってすべてにそれを費やしていいわけではありません。

もしかしたら使いやすさという点でユーザビリティの範疇になるのかもしれませんが、ウェブサイトのアクセシビリティ対応の中でもスピードをあげられるような工夫があってもいいのかなと思いました。

 

例えばWCAG2.0(JIS)の中では、隣接する同一移動先のリンクは一つのa要素でまとめる、2.1では可視ラベルとコンポーネントの一致、2.2ではクリック可能エリアの大きさについての規格があったりします。

これは冗長なものを飛ばしたり、音声入力でスムーズな移動ができたり、クリックできる範囲が広いので操作ミスが少なくなるなどのメリットがあります。これは情報取得のスピードが速くなる方法です。

こういった観点の規格が増えてもよいなと感じています。

 

アクセス(取得)できればよい、だけではなく、アクセシビリティ対応をする際に、ユーザビリティや取得難易度も一緒に考えていければと思います。

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5月に「タッチパネルのアクセシビリティ」という記事を書かせていただきました。

 

要約すると、便利だけど、視覚障碍者には見えにくい(拡大ができない、配色が見えにくい、全盲で見えない等)問題がある、というものでした。

 

この問題に取り組んでいる場所がありました。米国メリーランド大学のスモール・アーキファクツ・ラボで、「タッチアライ」というツールの開発に取り組んでいるようです(タッチアライの紹介ページはこちら(別ウィンドウで開く))。

 

動きとしては、画面にこのツールを取り付けると、画面を撮影し、サーバーに送信。データベースで照合され、メニュー内容などの情報をスマートフォンに送られ、スマートフォン上にメニューが表示されます。メニューを選択するとタッチアライから腕が伸びて、代わりにボタンを押してくれる…というシステムのようです。

 

データベースへの登録はボランティアの力が必要なようですが、そう遠からず、AIが登録してくれそうな気がしますね。また各企業の広報の方が登録するなどしてくれると作業はすんなりいくかもしれませんし、メニュー画像のQRコードを右上に必ずつける…なんて規格ができたらさらにスムーズになるかもしれません。

 

このツールが実際に流通したら、もう少し飲食店に入りやすくなるかもしれませんね。

 

腕がメジャーのように見えて、すごい技術と庶民的なアイテムを組み合わせたようなデザインが、今後の活躍に応じて洗練されていくのではと思います。

 

更に個人的には紹介動画で出てきた「アボカドティー」、ちょっと気になりますね。