お知らせWCAG 2.2,セミナー

ウェブアクセシビリティの改善に係る活動をされている方に向けた、初夏のアクセシビリティセミナーを開催いたします。

技術的な内容を中心に、最新の情報をお伝えできるよう鋭意準備中です。
制作に携わる方だけでなく、発注に携わる方、同業の方、学生の方のご参加も歓迎いたします。
お時間が合いましたら、ぜひお気軽にお申込みください。

最新のWCAG 2.2を読み解こう

項目 内容
日時 2023年 6月13日(火) 16:00-17:00(1時間)
形式 オンライン(Zoom) *会議情報は開催の2日前をめどに送付します
費用 無料
レベル 中級者向け (現行の規格についてご存じのほうが楽しめますが、初学者も歓迎です)
講師 飯塚 慎司(株式会社インフォ・クリエイツ アクセシビリティ事業本部長)
講師経歴 アクセシビリティ指針の普及活動、JIS X 8341-3 シリーズなど標準化の活動
音声ブラウザの普及活動、アクセシビリティチェックツールの企画・開発 など
申込方法 申し込みフォームはこちら(Microsoft Forms)
締切 2023年 6月9日(金) 18:00

ご好評につき、残席僅かとなっております(6/8時点)。早期満了となりました場合はご容赦ください。
よろしくお願いいたします。

雑記

 

アクセシビリティがなぜ大事か、と言われれば、「誰もが情報を取得できるようにするため」と答えたりしますが、何といっても災害に関する情報の取得の重要度は他の情報に比べても最も高いと言えるかと思います。

 

ウェブページの情報取得の良いところは「自分のペースで聞き取れること」というのがあります。例えばどれだけ重要な情報でも何十、何百とある地域や建物の情報を早口でテレビやラジオで言われても聞き逃す可能がありますし、一度聞き逃してしまうと次に同じ情報が来るのはいつになるかわかりません。天気予報も、一瞬気が反れたタイミングで自分の居住区の情報が読まれてしまって、情報を取得できないことがあります。

 

さて、国土地理院のハザードマップポータルサイトがリニューアルし、「住所入力や現在値検索をするだけでその地点の災害リスクや災害時にとるべき行動が文字で表示される」機能が実装されました。

 

国土地理院「ハザードマップポータルサイト」へのリンク

 

使ってみると、例えば表示されるテキストへの移動がスムーズではないと感じましたが、

これは「災害のリスクを調べる」ためのサイトで緊急情報を知らせるためのページではなく、

「事前に調べておきましょう」というページなのであれば、操作性は上がったのかもしれないな、という印象です。

 

2023年の5月は大きな地震が複数回ありました。

一度、使い勝手を試すのも兼ねて調べておいてみてはいかがでしょうか。

技術コラムmiChecker

総務省「みんなのアクセシビリティ評価ツール:miChecker(エムアイチェッカー)」のVer.3.0公開から早2ヶ月が経とうとしています。皆様、もうお使いでしょうか?

総務省|みんなのアクセシビリティ評価ツール:miChecker (エムアイチェッカー)Ver.3.0

今後は令和5年度中を新バージョンへの移行期間とし、旧バージョンについては公開終了を予定しているとのことです。
初めてお使いの方、旧バージョンからの乗り換えに重い腰を上げた方、ぜひ一緒にmiChecker Ver.3.0を導入してみましょう。(所要時間:15分程度)

雑記

さまざまな技術の進化が進み、生活は便利になっていってると日々感じます。
切符を買わなくてよくなった、目的地への行き方を地図と勘に頼る必要がなくなった、辞書を持ち歩く必要どころか論文まで自動で書いてくれる時代になりました。

個人的に感動しているところはタッチパネルの感度です。
一昔前まで、人の血が通っており、体温も人並みにあるのですが、タッチパネルが反応してくれなくて「タッチパネルまで私を認めてくれないのか」としょんぼりしたものですが、今のタッチパネルは感度も良く、次のページにサクサク進めてくれるのでとても使い勝手が良いと言えます。

今や切符を買うのにもタッチパネル、ファミリーレストランや居酒屋、ラーメン屋、牛丼屋でもタッチパネル、ATMでもタッチパネル、コンビニの支払いや年齢確認もタッチパネル。クレジットカードの暗証番号を入れるタイミングでもスマートフォンもタッチパネルです。

しかし、「タッチパネルはどこを押したらよいかわからない」という視覚障害者の声がありました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a4a963091ba0448ca7c78536f6ae678d7b79ee23

確かに、スマートフォンのように個別にカスタマイズできるシステムでもなく、視覚に頼り切っているシステムです。飲食店ではポップなデザインが多く、色の配色で見にくかったり、文字の拡大ができないなど、全盲に限らず使いにくいと言えます。

困ったら店員さんに相談、というのもありますが、繁忙時間で気づかれなかったり、クレジットカードの暗証番号を代理で打ってもらうなどはセキュリティの観点から問題があります。官公庁向け「みんなの公共サイト運用ガイドライン」でも、アクセシビリティに対応できていない箇所には「問い合わせ先を書きましょう」となっていますが、官公庁の人間も365日24時間営業でもないですし、きちんと対応していれば、電話対応の負荷も減ります。

同様にタッチパネルもアクセシビリティ対応がきちんとされていれば、店員の負担を減らすことができるかと思いますし、本来必要のない手間を踏まなければいけない利用者にとっても負担軽減といえると思います。

技術の進歩は確かに大切ですが、技術の進歩、その進歩で置き去りにされる人、その人たちをサポートする人やシステムと分かれているのが残念だなと思います。ユニバーサルデザインでスタートする技術が普及していけばよいですね。


雑記

2021年に改正された「障害者差別解消法」。

こちらの施行が2025年4月1日からとなりました。

 

なんといっても大きな変化は今まで「努力義務」だった企業の合理的配慮が「義務」になりました。

つまり企業は対応しなければならない、ということになります。対応しないとどうなるのか?というと罰則規定は特に見当たりませんが、合理的配慮が行われていないとして指導、訴訟などのリスクが上がる可能性があるかと思います。

 

では合理的配慮とは?という疑問ですが

「「合理的配慮」とは、「障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。」と文部科学省にありました。

つまり「過度の負担にならない範囲で変更や調整する」というのがざっくりとした説明になるかと思います。

 

ウェブサイトは会社の出しているリーフレット同様、サービスです。ウェブサイト改修は比較的負担の少ない調整に分類されると思います。ウェブサイトへの合理的配慮は、先に義務だった官公庁の対応に倣えば良いと思います。

つまり、「JIS規格(JIS X 8341-3:2016)」への適合、ひいてはウェブアクセシビリティの確保が「合理的配慮」として過不足ない対応と言えると思います。

 

施行までちょうど1年を切りました。

何が必要なのかを検討し、変更や調整の計画を立てていってみてください。

大きなサイトであればあるほど、今から計画、実行しないと間に合わなくなります。

 

おそらく「対応したものを納品して欲しい」というクライアント様や「対応しなきゃいけないけどどうすればいいかわからない」「今後、アクセシビリティを売りにしたいけどどうすればいいかわからない」という制作会社様は、本サイトの運営をしている株式会社インフォ・クリエイツまでご相談ください。

雑記

Appleといえば、製品へのアクセシビリティ対応が進んでいる会社の一つと言って過言ではないでしょう。
そのAPPLEが「Reality Pro」というAR / VRヘッドセットをリリース予定のようです。

おさらいとして「AR」とは「Augmented Reality」で、現実世界に追加コンテンツを置きます。カメラを起動させてキャラクターと一緒に写真が撮れる、なんてサービスもありますよね。
「VR」は「Virtual Reality」で、わかりやすく言えば「作られた世界に入ることができる」と言った感じでしょうか(実際には入れないのでテーマパークの映像アトラクションのご家庭サイズくらいの方がわかりやすいかもしれません)。

アクセシビリティ対応に配慮された製品になることで、視覚障害の人の生活のサポートツールになる可能性があります。

色覚障害の人に色を伝えたり、弱視の人が見やすいように拡大してくれたり(メガネと変わらないかもしれませんが圧倒的に視野は広がるでしょう)、認知に障害がある人向けに物の名前を表示してくれるかもしれません。

WCAGでも3.0ではAR、VRの規格が検討されているようですし、じわりじわりと身近なものになっていきますね。

雑記

ウェブサイトを運用する目的と言えば、「自分(会社・商品)を知ってもらうために来てもらう」というところに息つくのではないでしょうか。作品を公開するアーティストにしても、商品を売る会社にしても、まずはウェブサイトに来てもらうことが最初の関門です。たくさん来てもらうことの対策のことを「SEO対策」と言います。

 

アクセシビリティ対応がSEO対策に有効なのでは?という記事が出ていたので紹介します。

紹介記事:[Study] Is Web Accessibility Key to Driving Organic Traffic?(別ウィンドウで開きます)

 

記事によると、Googleは検索結果のページを「ユーザー体験」や「使いやすさ」に基づいてランキングをつけているとされています。対するアクセシビティは情報にアクセスできることを求めています。使いやすさでいえば「HTMLタグを正しく使うこと」も求めているので、こちらも良い方向に働くと見ていいと思います。

 

アクセシビリティ対応のサービスを利用しているサイト、847サイトに対して、サービスの実行3か月前、実行3か月後後で調査をすると流入数が増加していることが分かったそうです。

具体的には全体の66%が1~50%のオーガニック流入増加があったそうです。平均すると12%程度の変化だそうです。

 

必ずしもこのデータ通りになるとは限りませんが、SEO対策に悩まれている方や、制作会社の方はアクセシビリティ対応を検討してみはいかがでしょうか。オーバーレイで拡大や色変え、拡大機能を提供するのは確かに利用者にとって便利になるかと思いますが、ソースコードを見ているロボットには関係ないので、ソースコードを抜本から見直すことで対応してくことが重要なのではないかと思われます。

雑記

ウェブアクセシビリティの項目には「堅ろう」というものがあります。
簡単に言うと、「HTMLの仕様通りに書かれているか」というものになります。
最近の大手のブラウザは多少ソースコードが間違って書かれたり、技術が進歩しても、きれいに表示してくれます。しかしユーザーの少ない特殊なブラウザは新しい機能などに対応していないことがあります。そこでこの「堅ろう」の項目で、常にきちんと正しい表示がされるようにする、といったものです。

この部分が、フロントエンド(Webブラウザで表示される部分)のテストから光を浴びています。

 

紹介記事(ログミーTech:「フロントエンドのテストは“不安定さ・壊れやすさ”との戦い」 和田卓人×倉見洋輔×古川陽介が語る、アクセシビリティの重要性)(別ウィンドウで開く)

 

記事によると、フロントエンドのテストでの環境の変化に対してどうやって影響されにくいテストコードを書くのかが大事と書かれています。そしてアクセシビリティの高い画面は壊れにくいテストがかけるようになってきているとあります。

つまりアクセシビリティに対応されたサイトは壊れにくいサイト(技術の進歩があっても表示が崩れないサイト)になるということです。開発の速さ、安定さにも影響されるということで、アクセシビリティが制作会社の皆様にも知見が広がっていき、「急がば回れ」でどんどん対応していいくサイトが増えていってくれればと思います。

雑記

交通アクセシビリティ・アプリを提供するTransreportが日本にも展開すると発表しています。
障害者や高齢者が電車で移動するためのサポートのマッチングアプリで、解除のリクエストや駅員へ予約の連絡などが行えるようです。

日本でも実証実験は済んでおり、時折移動の不便さなどが話題にあがりますが、活動範囲を広くするのに一役買ってくれるのではないでしょうか。

雑記

Sonyと言えばおそらく知らぬ人がいないほどの会社です。
アクセシビリティにも注力をしており、ウェブサイトはもちろん、製品にもその姿勢が伺えます。

2023年の年明けにアクセシビリティコントローラーキット「Project Leonardo(プロジェクト レオナルド)」を発表しました。詳細はこちら(別ウィンドウで開きます)


PS5というゲーム機のコントローラーの開発プロジェクトですが、障害をもつプレーヤーが簡単、快適にゲームを楽しめることを目標としており、ボタンやスティックの付け替えが可能なようで、主に身体障害のプレーヤーに対して操作性の向上があるのではないかと思います。

 

さすがだな、と感心したのは3.5 mm AUXポートを備えており、他社のツールにもこのコントローラーが使えるということです。もしかしたら、このツールでスマートフォン、パソコンはもちろん、電動車いすの移動なども行える日が来るかもしれません。ゲームのコントローラーですが、その汎用性を理解し、機能を実装するあたり、アクセシビリティへの意識の高いSonyグループらしい素晴らしい対応だと思います。